とらすず日記

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弾丸旅⑦(真木大堂)

弾丸旅⑦
<定観:真木大堂(まきおおどう)
 
~2022月2月15日(火)~
 
13:01 (13:01~13:26)
富貴寺から観光バスで約10分。
真木大堂(まきおおどう)馬城山伝乗寺へ。

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真木大堂

<真木大堂> 拝観料300円
真木大堂は、馬城山伝乗寺(まきさんでんじょうじ)の堂宇(どうう・堂の建物)のひとつであったと伝えられています。
伝乗寺は、養老2年(718年)に仁聞菩薩によって開創されたと伝えられる六郷満山の本山本寺8ヶ寺のひとつで、その中でも七堂伽藍を有する最大規模の中心的寺院であり、田染地区に36の寺坊を有していたと言われています。
しかし、約700年前の火災で焼失し、史料は残されていません。
現在は、江戸時代に再建された小規模な旧本堂(大堂)と、昭和40年代に新造された収蔵庫のみです。
真木大堂に収められている国の重要文化財の4件9躯の仏像は、伝乗寺の各堂宇に伝えられたものが、各寺坊の衰退に伴って一箇所に集められたものだとされています。
収蔵庫には、日本一大きい「不動明王」が安置され、真木大堂の本尊である阿弥陀如来坐像も保管されています。
 
写真は、収蔵庫の外観です。右手前に旧本堂の柱が少し映っています。

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収蔵庫(外観)

収蔵庫内の撮影は禁止されています。
内部はガラス越しに9躯の仏像が並んでいました。
(写真は、公式ホームページの写真より)

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真木大堂(収蔵庫)【公式HPより】

<所蔵仏像>
(撮影禁止のため、配布されたパンフレツトを掲載)
 

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パンフレット(表)

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パンフレット(裏)

◇木造阿弥陀如来坐像及び木造四天王立像◇

<木造阿弥陀如来坐像>
真木大堂の本尊である阿弥陀如来西方浄土の主尊であり、極楽へ導いてくれる仏とされています。仏像が作られた平安時代は日本全土に末法思想が広がり、中央の有力貴族たちをはじめ人々は極楽に行けるようにと願い、信仰の対象として各地で阿弥陀如来が作られました。
像高216cm。丈六の坐像で檜(ひのき)材の寄木造り。左手を膝に置き右手を肘から曲げた来迎印(らいごういん)をとっています。彩色は前面に布張りの下地を施し、肉身に漆箔、螺髪に群青、衣に朱色がみとめられます。現在も随所に金箔の跡が確認できます。彫りが浅く、流麗な衣文(えもん)には11世紀後半の定朝様式がみとめられますが、肩幅広く厚みある体躯、やや面長できりりと結んだ唇などには定朝以前の古い様式もみられます。
 
持国天
像高161cm。文字通り「国を支える」守護神として東方に立ちます。顔を左下方にうつむかせ、腰を右にひねって胸前の両手で持物を握ります。
 
増長天
像高158cm。サンスクリット語では「増長、増大した者」とされる五穀豊穣を司る守護神で南方に立ちます。顔を右下方に向け、左手を大きく振り上げて持物を握ります。
 
広目天
像高166cm。「尋常でない、特殊な眼(=千里眼)を持つ」守護神で西方に立ちます。冑をかぶらず結髪し、炎髪を立てて正面を向き、右手を上げて持物を握ります。
 
多聞天
像高162cm。「数多くの説法を聞く」守護神で北方に立ちます。独尊で祀られることも多く、その場合は“毘沙門天”と名を変えます。日本独自の信仰では七福神 の中の一体であり、財宝・蓄財の神とされています。顔をやや左下方に向け、腰をひねり、左手掌にのせた持物をにらみます。
 
◇木造不動明王立像及び二童子立像(不動三尊)◇

<木造不動明王立像>
像高255cmで榧の寄木造り。頭髪は巻髪で弁髪を左肩に垂らし、右眼を上、左眼を下に向けた天地眼と唇から上下に出した牙は忿怒相を表しています。右手に利剣を持ち、左手には分銅のついた羂索(けんさく)を執り、背後に勇壮な迦楼羅焔(かるらえん)を背負い岩坐に立ちます。迦楼羅は金色の翼を持つ想像上の大鳥で、口から火を吐き、竜を好んで食べるとされています。木彫不動としては日本一の大きさとも言われています。
 
<二童子立像>
・制咜󠄀迦(せいたか)童子
像高130cmで檜材の寄木造り。口を引き結び眼を伏せた厳しい表情で、こん棒を持った右手に左手を添えています。
・矜羯羅(こんがら)童子
像高127cmで檜材の寄木造り。正面を向き、眼を見開いて合掌するやさしい姿です。

◇木造大威徳明王像◇

<木造大威徳明王像>
像高241cm。本地は阿弥陀如来で、西方を守護して、人々を害する毒蛇・悪竜や怨敵を制服する明王で、六面六臂六足の忿怒相(ふんぬそう)で、中央の手は中指を立てて合わせる檀陀印(だんだいん)を結び、神の使いである白い水牛に跨っています。梵名の“ヤマーンタカ”は死の神ヤマ(=閻魔)をも倒す意味であり“降閻魔尊”との呼び名もあります。古くより戦勝祈願の本尊として信仰されており、その名が示す通り大いなる威徳を持つ明王とされています。頭、体の主要部分は樟材、手足部は檜材で造られており、大威徳明王としては国内最大のものとなります。平安の華やかな国東半島の仏教文化を象徴する仏像です。
 
以上が、所蔵庫の仏像です。
 
所蔵庫の横には、旧本堂(大堂)があります。

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旧本堂(大堂)

<旧本堂>
永い間仏像を安置してあった真木大堂旧堂で江戸時代のものとされています。本尊他仏像は収蔵庫に移されていますが、正面には国東半島では極めて珍しい木造の仁王像が今もお堂をお守りしています。 仁王像の肩越しの朱塗りの扉には皇室の御紋章があります。これは、今から約700年前六郷満山寺院に対して鎌倉幕府から蒙古来襲の折に異国降伏の祈祷を行うよう指示があり、国難を救うため馬城山伝乗寺では長期にわたり異国降伏の大祈祷が行われました。 そのおかげをもち元を退けた恩賞として弘安8年10月16日に将軍家を経て朝廷より菊花の紋章が下賜されたと伝えられます。
(公式HPより)
 
こちらは、木造の仁王像が安置されています。

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木造・仁王像

左右に「あ(阿)・うん(吽)」の仁王像。
ガイドさん曰く、右側の方が古いようです。
 
◇木造仁王像◇
樟材の寄木造り。馬城山伝乗寺が隆盛を誇っていた時代の守護仏で、江戸時代に建てられた旧本堂に安置されています。石彫が圧倒的に多い国東半島にあっては極めて珍しい木造の仁王様です。肩越しに見える菊花の紋章は約700年前、鎌倉時代の蒙古来襲の際、異国降伏の大祈祷の恩賞として下賜されたものと伝えられています。
 
○阿形(あぎょう)・ 写真右
像高225cm。筋骨隆々の忿怒相。阿は口を開けて最初に発する音で宇宙の始まりを表すとも言われています。吽と合わせて万物の根源を象徴するものです。
○吽形(うんぎょう) ・写真左
像高240cm。吽は口を閉じて出す最後の音です。阿は息を吐くこと、吽は息を吸うこととの考え方もあり、二人が行動や気持ちを合わせる「あうんの呼吸」の語源になったとも言われています。
(公式HPより)
 
境内の横には、石造・塔などが置かれた古代公園があります。

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古代文化公園

国東塔、宝筐印塔(ほうきょういんとう)、庚申塔(こうしんとう)、五輪塔、板碑、石仏等がありました。

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庚申塔

ちなみに、旧本堂横にある長い階段を登ると展望台に行けるようです。
定期観光バスでは時間がないため、絶対に行かないように!とガイドさんが言っていました。

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展望台への階段

 
拝観を終えた後、御朱印をいただきました。
こちらでは、拝観受付場所で御朱印帳を先に預け、最後に頂きます。
3種類(各300円)直筆記帳
 
・真木不動尊御朱印
阿弥陀如来御朱印

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御朱印

大威徳明王御朱印

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御朱印

ここは、境内は広く無いですが所蔵庫の仏像9体が見所です。
境内の石像や旧本堂を見学していると滞在時間20分は短く感じました。
 
<続:弾丸旅⑧>

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